いよいよフリーランス新法が施行されます
世田谷区三宿にて、女性フリーランスさん&起業初心者さんをサポート支援しています行政書士 ゆじ まきこです。
私は、起業したい人のための行政書士です。
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フリーランス新法とは?
フリーランス新法は、正式には「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」(以下「フリーランス新法」)と言い、フリーランスが依頼主と公平な契約を結び、業務を行うためのガイドラインを定めています。
この法律では、業務委託契約をはじめとする取引内容や報酬の支払いに関して、具体的な取り決めを文書化することが推奨されており、フリーランスの権利を保護するための仕組みが整備されています。
発注者側の義務とは?
特にフリーランス新法には、フリーランス保護のための重要な義務について、具体的な内容が盛り込まれています。
具体的には、フリーランスの取引における不当な扱いを防ぐため、発注側に対していくつかの義務を課しています。
以下、その内容を具体的にご紹介します。
1. 取引条件の明示義務
発注者は、契約時に取引の条件を具体的に示さなければなりません。
これには、業務内容、報酬、納期、支払い時期などが含まれます。
曖昧な契約内容によるトラブルを防ぐため、書面又は電磁的方法により特定受託事業者に対し明示することが必須となります。
根拠条文:フリーランス新法 第3条1項
2.期日における報酬支払義務
発注者は、契約に基づいて業務が完了した場合、あらかじめ定めた期日(サービスまたは商品を受け取ってから60日以内)までに報酬を支払う義務があります。
この規定は、フリーランスにとって報酬未払いリスクを減らすためのものです。
根拠条文:フリーランス新法 第4条1項
3.発注事業者の禁止行為
発注者は、フリーランスに対して不当な要求を行うことが禁止されています。
たとえば、業務範囲を不当に拡大したり、契約を途中で変更することが禁じられています。
根拠条文:フリーランス新法 第5条1項
一 特定受託事業者の責めに帰すべき事由がないのに、特定受託事業者の給付の受領を拒むこと。
二 特定受託事業者の責めに帰すべき事由がないのに、報酬の額を減ずること。
三 特定受託事業者の責めに帰すべき事由がないのに、特定受託事業者の給付を受領した後、特定受託事業者にその給付に係る物を引き取らせること。
四 特定受託事業者の給付の内容と同種又は類似の内容の給付に対し通常支払われる対価に比し著しく低い報酬の額を不当に定めること。
五 特定受託事業者の給付の内容を均質にし、又はその改善を図るため必要がある場合その他正当な理由がある場合を除き、自己の指定する物を強制して購入させ、又は役務を強制して利用させること。
4.募集情報の的確表示義務
発注者は、フリーランスに業務を依頼する際、業務内容や報酬について正確な情報を提供しなければなりません。
虚偽の情報を基にフリーランスを募集することは、法律で厳しく規制されています。
根拠条文:フリーランス新法 第12条
5.育児介護などと業務の両立に対する配慮義務
フリーランスが育児や介護と業務を両立させやすい環境を整えるために、発注者には合理的な配慮が求められています。
たとえば、納期の延長や柔軟な勤務時間の設定がその一例です。
根拠条文:フリーランス新法 第13条
6.ハラスメント対策にかかる体制整備義務
発注者は、フリーランスに対するハラスメントを防止するための体制を整備し、適切に運用する義務があります。
ハラスメント防止策が欠けている場合、フリーランスの精神的負担が増す可能性があるため、しっかりとした対応が求められます。
根拠条文:フリーランス新法 第14条
7.中途解除等の事前予告・理由開示義務
発注者が業務を途中で解除する場合、事前に通知し、その理由を明確に示す義務があります。
これにより、突然の契約解除によるフリーランス側の損害を最小限に抑えることができます。
根拠条文:フリーランス新法 第16条
フリーランス新法に合わせた契約書を準備しよう
フリーランス新法に基づき、契約書の重要性を取引先に説明し、業務委託契約書を作成してもらうことが推奨されます。
契約書はお互いの権利と義務を明確にし、業務のスムーズな進行やトラブル回避につながるため、取引先にもメリットがあります。
フリーランス新法の施行に合わせて、契約書を準備しておきましょう。
契約書を作成しておくことで、より安全な取引が可能となります。
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